観客のプンムル2は圧巻であった。
敵も見方も死者も生者なく全てが渾然一体となって、和合して行く世界観を表したいエンディングである。
死者の闘いの同士が去って無音になる、同じく死者であるウンド役の上月がたった一人になって、見えない向こうを凝視している、秒数は30秒を指示(だが、合図が早くもう少し短かった。惜しい!)し、少々観客の耐えれなくなる限界まで引っぱり、そこへ遠くから微かなプンムル隊の音が入って来たかと思うと舞台上、上手下手から寝転がり出演者、私も転がり出。そこにプンムル隊楽器隊と李代表が白い民族服で歩きながら舞台出。私はあわや楽隊に踏まれるかと思いきや、そこは健常者(障害者ではこうは行かない。絶対に私の上から落ちられ下敷きになっていただろう)の舞台人達、上手くかわしてくれていた。ホール外からプンムル隊のサンモ回す本体がホールへ入って来る。さすがに固城韓国民俗芸能での人気の小泉が回すサンモを見付、観客席は大いに乗りが出てくる。声援やヒューヒュそして大拍手で、一緒に揺れ出す。
五大広の面々も舞台で乗りに乗って、上月と李代表は肩を組んで愉快に興じ手を緩やかに上に下に、二人は踊っている。私は床面で寝転りゴロゴロとエキストラのエギョンがいて体当たりすると、エギョンは逃げて行ったり、横に居たドンニムにちょっかい掛けて一緒に踊ったり、仰向けになり手を伸ばしていたら手を掴む人がいて李代表が私の手をしっかりと掴んでいたり、上月の足の踊りは抜群で乗っている。
前衛身体表現と固城五大広民俗芸能は、最後のプンムルで、完全に融合し一つの喜びに溶け合っていた。
そんな舞台上へ、観客は歓迎の嵐だ。それらを映像撮影しているカメラマンが、これは大変だと、舞台へ駆け上がろうと走り出したらしく突然映像が坂とンぶりな何も目的のない画像となり、前が見えなくなる。舞台上となったそこは、一応の波は去って行こうとする舞台上と、客席はまだ覚めやらず、もっと観たい!!もっとやれ!!の声が止まない。
(写真:スタジオ・エポック福永幸治撮影『ファン・ウンド潜伏記』「融合のプンムル」真ん中左の白髪の人が固城五大広李潤石代表)