521名の観客のみなさんに観ていただき、アンケートに記載された感想も、当初危惧していた癒し系と安心されるようなこともなく寧ろ、心の深淵に向かうキツさをしっかりと受け止めていただける多くの共感を得られました。
最近の態変公演の努力の甲斐もあって、今回は多くの手応えと成果をいただけ、本当にこの作品を世に問えて良かったと思います。
公演への感心と声援をいただけましたことに、厚くお礼申し上げます。
そして、この作品で私は次へのステップを踏めたように思います。
自分の、施設経験者、という個的経験は”特殊”な体験だということ。そしてその特殊は、余りにも特殊な経験なので他者へ伝える言語を持ち合わさない、ということ。そこに立って、私の選んだ身障者による身体表現がある、ということにこの作品の方法でようやく私は覚醒したように思います。
まだ未知数ではありますが、この身体表現は、私の生きる証として生み出し無くてはならないもの、と精進をしていく覚悟です。
泣ける稽古でした。こんな稽古も珍しい、自分の感情を突きつけられ、そこと向き合うことを迫られた分、演出としてパフォーマーへはもう少し俯瞰した距離を保てたように思います。これは、良いとか悪いとかという判断はまだできないな、と思っています。
こういう原点にようやく降り立った私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。
(写真:3月24日公演初日石垣金星さん-photo by bozzo 西表から観劇に駆け付けて頂き、アンコールにサプライズ出演、八重山の唄と三線でパフォーマーの踊りで最後をご一緒して頂く)
(写真:4月23日公演一月後,態変アトリエで劇団員打ち上げで記念撮影)