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実はこの前の5/42回目ワークショップのソンランは、余り私は大事の様に言いたくないが、その現場ですごいことが起こっていた。と、記録している。これは、訓練的な要素として障害を持っている人へのリハビリと間違われたら困るので、そのことをことさら現場では障害者頑張りものでは決して言わないようにしている。しかし、事実は事実として、現実的にそれまでなかったことというのが、この日のワークショップ終了後のソンランの母の弁によって再確認されたのだ。
前置きをすると、ソンランは普段はほとんど喋らず反応も緩慢で、常に母親が付き添って完全に世話を焼いている。要するに、よくある障害の子と母親が一心に世話をするどこでも一緒、という世間的にはよく面倒を見る母親その実、子である障害者をいつまでも独り立ちさせようとせず、その障害者の人生を全て将来設計まで行おうとする、障害者自立の観点から言えば完全にこれは母子べったりの困りものパターンの親子関係が見える。 その母が終わった後に、やはり一昨日の出来事は凄かった、と私に訴えるのに通訳者として今回非常に有能に私の通訳を完全に行ってくれたカンさんに通訳をしてもらって伝えてくれた。 「彼女はこれまで、座り位置まで体を持って行ったことも、自分の体を前に進めたことも一度もやったことがないことです。今回そのことを彼女はやれたのは先生のお陰です。」「そして彼女のこれまでの人生29年間において、全員の先頭に立ちみんなを率いる側になった、ということはこれまで一度もなく、彼女の人生にとって初めての出来事でした。」 と、非常な感激を私に伝えて感謝の念を言おうとしてくれる母の姿があった。それに対して私は 「いいえ、それは何も私の力ではありませんよ。ソンランが自分の意思でそのことを行いたいと思ったから出来たに過ぎません。それは自分の意思と自分の身体の声を聞くという、強烈な自己の集中力でしかなし得ないのです。」と伝える。 しかし、ソンランの母はやはり感激を隠せず目に涙を浮かべながら話してくれる姿に、通訳のカンさんまでも感無量、それを見ていて私も何だか目頭が熱くなるという不思議な光景がその場にあった。 5/7、Scilが金さんの青い芝の活動家ということで日本の障害者運動の大きなムーブメントを是非とも職員に聞かせたい、との要請で私の講義をp4時〜p6時半まで行った。 その後、交流会をその場で持ってくれ賑やかに、中華料理・韓国料理・マッコリ・韓国焼酎もありで行った。 その講義には、ソンラン親子も来ていて、ソンランはScilのメンバーでは普段ないという。この5月ワークショップに関して始めの障害者受講者を公募するのに、窓口となったScilの働きかけによって参加することが決まった、とのこと。普段は劇団の研究生として所属していて稽古には参加しているがもう1つ彼女に適した稽古はなされず、今回の私の行ったようなレッスンは初めてでこのようなものもあるのだ、と母は驚いたという。 しかし、ソンランはワークショップが終わって一日が過ぎたといってもその余韻がまだあって然るべきと私は思っていたのだが、いつもの反応が鈍い表情とどんよりした目で車イスに埋もれるように座っている。その様子に私は少々不可解なものを感じる。打って変わって母は、私に「ソンランにこのまま劇団を立ち上げさせたい。ソンランが是非劇団を続けられるようにそのようにやりたい。」と売り込み必死な様子。 私は、「ソンランが自分で前に居座って行くということができれば今回のエキストラには出れると思いますよ。」と、それしか答えない。 まずもってソンランがその強い意志として、劇団組織を率いていけるのかどうか、はおそらくこの母娘依存関係から自立したいと強固に思わない限り到底無理だろう。 常に母が劇団のマネージメントをやってソンランを第一義にし、他の協力者を巻き込んで行く、というのは私の行いたい現実に行っている芸術そのものの在り方を転倒させてしまうほどの普遍的芸術にはなり得ない。そればかりか、韓国でこの展開として一番危惧される、障害者芸術と言われるエイブルアートやアウトサイダーアートと言われるジャンルに群がる人たちがこれを後押しする、という構図しか見えて来ない。 それは、私の今回行う目的としてでもなく、態変の来年の3月韓国公演が終わった後もその方向で全部吸い取られて行くことは許し難いことである。 これは、マレーシアでも実は起こったことで、公演が終わってすぐに障害者芸術をやりたい劇団が、劇団態変をマレーシアに作る、取り組みの最中も黒子として自分は人を紹介するとか言いながら入って来たし、公演終了後にはマレーシアから私のレッスンを受けその場を踏んだ役者の障害者たちへ一人ずつ「うちの劇団で引き続きやってみないか。稽古場を継続するためにうちの稽古場を使わないか。」といった早々に引き抜き作戦が行われていた。 そのような動きに対し、マレーシアでは一人の率いるリーダーを決めていたのでその障害者に徹底的にそのような動きに対して、障害者自身の意思というよりも世界の健常の優位に立つ者の自己満足的動きであり結果は障害者自身がそれによって振り回され使われることにしかならない。本当にやりたければ協力者としてはしっかりと健常者は押えるべきだが、主体になり芸術観を構築する力を障害者自身が持たなければならないし、そのためには強力なヘゲモニーを持つことが重要なポイントとなる。 今後どのような展開になるかはわからないが、とにかく今回の韓国プロジェクトでは、主要な役者は日本の劇団態変の役者が韓国に行き、韓国で募集を行いレッスンするのはエキストラ役なのである。 この問題は大きくより沢山の人たちの引き込みを伴うことにより、態変内部の役者や日本から同行する黒子たちの動き方にも関わってくる。私一人が韓国の障害者に関わりきることで済むわけではない。 今後の展開が面白くなればなるほど、重要なことが内部へ突き付けられて来ることもより確かなことである。
by kim_manri
| 2010-05-07 16:44
| 芸術の庭
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