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3/16(水)
黒子のみの稽古日 ハジャハブ 14:00〜18:00 日本を出発するかしないか到着した15日だったか定かではないが、韓国黒子の中でしっかりしていて公演に力としてあてにしていた、男子のOPと女子のセンがハジャの学生を卒業したので黒子はできなくなった、と教師のヒオックさんから連絡が入ったという。 これは痛いしショックな話をのっけから聞かされる。 OPは昨年の5月からの付き合いで、ハジャセンターのヒオックさんが学生を引き連れて、ワークショップの見学へ来たときの最後に感想「自分は自分の中に障害者への差別する心はなと思っていたが、今日観て自分にも差別感があるということが解りました。」と逸早く述べた感性の豊かな子だ。そして、新入生が増え全部で25人ぐらいになっているという。 せっかく日本から韓国へ通い1年間掛けて黒子を作ってきたのが、また新入生のゼロ状態から始まる? それもホールKOUSの袖中は狭く、全部の居場所はない。全部を黒子に入れてでは公演が成り立たない。抜けた2人の代わりを入れる、と受け止めてやるぐらいならば可能ということになる。 前日の会議後に、日本の黒子によって黒子替え 日本広報文化院へ表敬訪問10:00~11:00 気になっていた、東日本大震災に付いて情報を聞く。のき並み予定していたイベントは中止の事態。韓国市民のとても他人事とは思えない、という隣人を思う厚い気持ちで、何か出来ないかの問い合わせも多くある。自主的な支援活動が巻き起こっている。文化院でも記帳できるようにした。24時間テレビで義援金が呼掛けられていて既に、3億円集められている。大使や政府関係者は、マスコミ対策に追われテレビニュース番組出演などで忙しい。 地震が3/11に起きたが我々は予定通り3/15、思いを日本に残しながら、韓国公演へ向け出発した。福島原発第3号基が煙を出し出したところであった。日本がどうなるか解らない、という不安はありながら。 態変は2001年に起きた「ツインビル爆破事件」の9.11のときも、9.26からドイツ・ベルリン公演だったのを、取り止めず決行した経験を持つ。 人々に降り掛かる災難という受難のときに、芸術を通し外の多くの人々へ隠さず姿を見せ、やり続ける意思と姿勢を貫けられないとならない。そういう信念は持っているので、劇団内部の話し合いを最後の稽古終りで、技術者含め行って確認できた。 韓国の人々の反応は心暖まるものがあり、ハジャセンターの日本語のできるジニーは、日本語で「こんなときに、公演を取り止めず来て下さったことに感謝したいと思います。」というメールを私たちの元へよこしてくれた。 日本の黒子達を稽古主体として任せ、私は文化院の後ホテルへ戻って、いつ時間が取れるかも解らないブログへ少しでも書く。しかしやはり黒子稽古が気になる。書くのもそこそこに予定より少し早くホテルを出てハジャセンターの今回新しく建ったビルがより広いだろうとハジャサミットのメイン会場として使った会場のハブと呼ばれている場所へ行く。 さすが新入生がうじゃうじゃいる。これは大変だ、2人抜けたので2人補充といっても、学校だから一緒に経験させないと話にならない。 韓国黒子の面々の動きを追いながら、一人ずつに挨拶を交わす。ホンジョとドンニョンへは、「OPとセンは、なんで辞めたの?せっかく公演間近で、黒子だけでもやればいいのに。」と、お気楽かましを装いうじっとならずあっけらかんと無責任に言うことにした。稽古続行。 稽古はいないエキストラや役者の名前のハングル頭文字を大きい紙に書いてもらって、新入生が胸に大きく貼っている。列を作るところは列に並んで、胸に貼っている。イメージ的にインプットできるよう良く工夫しようとの痕が見える。中々名案。 私が入って見るところもたったか見て注意をし決めをやる。沢山いる新入生達はギャラリーとして椅子を並べてもらい、ずらっと並んで観ている。さすがに退屈そう。しかし場所が広いところにして良かった。こんだけ大勢の生徒がいても、あちらこちらに役をもらえない学生はその内、分散する場所を見付け適当に眺めている場所があちらこちらにできるから。 予定していたものは時間が余るぐらいさっさか取れて全て終了。ほっとしていたらホンジョがやって来てさっきのOPとセンについての金満里先生がおっしゃっていたことにそのまましていてはいけないと思うので少し補足の説明をさせてもらっていいですか。と申し出てくれた。私はこういうきっちりとした返しをくれるのはさすがハジャ学生だと物事をやり過ごすことが多過ぎる日本の若者とは付合ってても欲求不満が残るので、私の始めのお気楽投げ掛けへ引っ掛かって来てくれたことに嬉しくなり、「うんうん、それは是非聴かせて」と。 ホンジョ 「センとOPは自分が考えるところあって個人の問題としてハジャ学生を卒業という形になりました。しかしOPはハジャ学生は辞めても黒子だけは公演を終わるまでやりたいとの意思表明があるにはありました。しかし私たちの中でとても真剣に話し合いをしました。私たちが態変の黒子を担うということは、この公演が終わりその公演までということではありません。むしろ終わった痕で自分達の中からこの黒子への関わりを論議し理論として自分達のものにできるよう積み上げる作業の方が我々には大切なこととして課せられる課題を果たさなければなりません。ですからOのように公演までという期限付きで公演が終わればその話し合いにも参加できないしハジャ学生としての任務を全うできない形での参加の仕方は始めからあるのかどうか。それよりもむしろ新入生としてやってきたハジャの新しい学生達へOPは自分の場所を譲って道を開けるべきではないか。という意見に私たちは判断したのです。2人が辞めたことで先生もご心配なさるでしょうが、そういったわけで私たちの決めた結論に対して理解して頂きたいと思うのです」。もうこれには私は何も言うことは無しであった。論理としての道理の筋が通っているし2人が抜け残った者の苦渋の上での強い決心がその導き出した論理展開での結論に全て言い表されている。私はホンジョに「それは、全く正しい判断として私は理解できた。2人が抜けた後君たちはその分もしっかりと伝えようと新入生への責任を負う覚悟というものがしっかりとそこにはあると私は受け取った。理解するしその判断を全く支持する。」と話していたら、横にドンニョンが座り出しOPとセンについて自分も話があるとホンジョの話を引き継ぎ。ホンジョはドンニョンにバトンタッチされたのを見届けて、自分は次の予定があるからこれで失礼しますと丁寧に挨拶をしホールを後に。 ドンニョンとの話は腰を据えゆっくりと迷いながらとつとつと話し出したので、私もこれはゆっくりと聞く姿勢にならなくてはと思い向き合う。「OPは、以前からハジャの企画をやる度に彼は彼なりの迷いがあったようです。金満里先生はもしかしてこの黒子をやる問題が問題としてOPにきつかったのではないか、と心配されているのではありませんか?」私「うんそうそう、実はそのことが一番気になっているのよね。態変の黒子というものへの疑問があって黒子をやる前に辞めるということをやったのかと心配してたけどホンジョからもOPは黒子だけでもやりたいとという意思があったということを聴いて、そうではなかったということがわかり今安心したところ」ドンニョン「センも以前から精神的にはしんどいとことを抱えていて身体的に今非常にしんどいということが卒業の理由のようです。だけど金満里先生のワークショップで自分は身体に目覚めた、身体に関わる何かをしたいと思う。と言っていました。OPも自分よりも年が一つ下だけどハジャ学校に入ったのは1年先だから自分より先輩ということになるんだけど、ミャンマーのボランティアから帰って来てとても長いミーティングを重ねて我々はいたわけです。その中で彼は彼なりに何か結論を出したようです」。私が一番心配していることを口に出す「OPやセンは自分なりの結論をそれぞれの事情で出しただろうことは解りました。しかし2人がいなくなって、その分まで荷物を負うような気持ちに、残された者がしんどい気持ちが少しでもあれば、それは非常に心配になることですね。ドンニョンは韓国黒子の中の頭として今でもあると思うし、その辺は変に責任感感じすぎてはいないの?その辺の正直なところはどうなの?」という話になった。 ホンジョもドンニョンもハジャ生徒として、とてもハジャのことを大切にしながらハジャとしての立ち位置や使命感、といったものを体現していると言える。とても前向きであり、深く理論を掘り下げ熟慮した言葉を紡いでいこうと非常に良く考え行動している。かと言って、ドンニョンは少しあるかも知れないがホンジョは、そういったことに全くストレスや負担を負っている雰囲気は見せず、寧ろひょうひょうと冗談も本音も吐きながら楽しく乗り越えて行く逞しさが見えるので安心だが。 しかし男子生徒のドンニョンは、やはり俺は男だのところがあるのだろう、肩の荷は降ろさず相手のことを良く考えて熟慮はするが、もう一発本音は吐かない。吐いたらお終いなのだろう。現実的にフリースクールでも、男子にはある年齢に達すると韓国の徴兵制での義務は免れず、徴兵に行かなければならないという現実は確かにあるのだから。 これだけの話をできただけでも滑り出しの彼らとの初日は良かったと思う。ドンニョンには、「ハジャスクールを背負った公式見解ではなく、一個の個人としての意見を持たないと、逆にしんどくないか?固城へ行くツアー公演になれば、大勢の人達と一緒に行動し障害者の日常介護もやり、舞台を最高のものにする黒子も手を抜いてはいけない生活になる。その中で、きっといろんな疑問が沸いて出て来るだろう。そういう時こそ、ディスカッションできるチャンスだと思うし、できればいいなと思っているけれども・・・」という。ドンニョンからは「実は今回の新入生の中から、自分達で態変の理念も伝え黒子としての抱えも教えて、やって行けそうな生徒を6人選んでいるんだけど、日本の黒子は2人抜けたから2人だけの補充として考えてくれているようだけど、何とか他の4人にもやれる仕事を振ることはでき しかしこれは実際固城へのツアーでは、そんなディスカッションをする時間は全くとれず、ホテルの階も違って日本組と韓国組は生活においては全く触れるチャンスはなかったのである。しかし、バスに乗り込むときなどに、顔を合わせるとみんな嬉しそうに挨拶して元気な顔を見せてくれた。 実際に討論の時間が持てるどうかが問題なのではなく、そういう気持ちがあるということを解り合うことが大切なんだと思う。 信頼関係とは、そのことを実行できるかどうかではなく、そういうことを話できる時間を共有したかどうかにつきる。だから、この時の、いや、OPとセンの途中降板への不安は、却って、我々にとって公演を乗り切る共鳴として、この時間を持てたことで転化したと思う。
by kim_manri
| 2011-04-04 20:01
| 芸術の庭
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