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もう、私は演出として全ての公演を見届けられました! こんな公演はめったにありません。
そして、観客の見入る真剣な息遣いに、本当に態変を観てくださる観客層の潜在的な人間としての力を感じ、これは態変のパフォーマーがその肉体での表現性が遺憾なく発揮され、伝わっている証拠に改めて感嘆する思いでした。 しかし実はこれは、観客席へ一緒に居ながらにしてようやく判ることでして、舞台で演じている今回は主役の下村が非常に良い身体表現だったので、下村へは言葉にしても伝えられないだろうなぁ、もどかしいなぁ、と思いながら、私は演出としてできる毎公演ごとの駄目だしへと替えていたのです。 観客も多様で、演劇関係からダンス関係といったその世界の人たちから、態変は勿論舞台自体も初という人初心者も多数来て頂いて、層の偏りのない全体にいい雰囲気でした。 お陰様で集客も満席で、事前チケット完売もでる大盛況でした。 この公演が世界に『ヴォイツェク』上演は多しといえども態変以外ではどこにも再現性は不可能な、最もこの作品の、一人の貧しい男が妻を殺すに至る発狂させられる、魂の軋みと叫び、を表現できる作品に仕上がったと思います。 下村雅哉が、ぐっと頭角を表した記念碑的作品であり、世界中で観たい、と言われるべきだ!という自信作となりました。 各名士によるダイレクトメールへの推薦文、この後に載せます。 観逃した人は、再演を、強く心に抱き、観た人ももう一度! と、連呼してくださ〜い。 さすれば、叶う、です。 ----------- 劇団態変が『ヴォイツェック』を上演する 西堂行人(演劇評論家・近畿大学教授) G・ビュヒナー作『ヴォイツェック』は「衝動的殺人」を描いた作品として遍く知られている。兵士ヴォイツェックはなぜ情婦マリーを殺害するにいたったのか。19世紀前半に書かれたこの未完の戯曲は20世紀後半に登場する不条理劇の先駆とも言われた。その背景には、確たる理由で説明のつかなくなった現代社会がある。誰にも納得のいく「普遍性」が失効したのである。 劇団態変の肉体表現もまた誰もが納得しうるものではない。重度の障がい者である彼らの身体表現は通常見慣れたものとは異なる。彼らにしかできない交換不可能な技芸は他者と自分を分かつだけで、普遍的な評価基準である「優劣」や「美醜」とは別の基準を観る者に問いかけてくるだろう。 とすれば、不条理という哲学も、劇団態変の身体表現も、普遍性に回収できない特異性を観る者に突きつけてくるはずだ。この難問を抱え込んだ態変版『ヴォイツェック』の新たな実験に期待したい。 佐藤信(劇作家、演出家) ゲオルグ・ビュヒナーの『ヴォツェック』。 劇団態変の『ヴォツェック』。 いま、聞き取っておかなければならない言葉と 感じておかなければならない体とが交錯する、 鮮烈な空間と時が立ち現れるに違いない。 貫成人(専修大学教授) 『ヴォイツェク』を手がけたのは演劇人や映画人ばかりではなかった。身体という存在を追求する多くの表現者をもこの戯曲は魅了し、たとえば、フランス・ヌーヴェルダンスの旗手ジョゼフ・ナジも例外ではなかった。その舞台では、横暴な上官や貧困、最愛の者の裏切りという過酷な状況のなか、ついに殺人に手を染める兵士ヴォイツェクの狂気が、単なる観念としてではなく、「肉体」、あるいはむしろ「肉塊」とでもいうべき存在として現前したのであった。演劇とダンスの境を突き抜けた戯曲が『ヴォイツェク』だ。そのように考えれば、劇団態変ほど、この作品に取り組むのにふさわしいカンパニーはない。可能性の極限まで突き詰められたかれらの身体とその存在感、わずかな所作の変化によって多彩な表情を生み出すその表現、劇的な効果をもたらすその緻密な構成によって、劇団態変の『ヴォイツェク』は、これまでだれも知らなかった体験を、わたしたち観客にもたらすにちがいない。
by kim_manri
| 2013-09-02 10:52
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