再演ということで、特記すべきこの作品性が多々あった、今回の「ルンタ(風の馬)〜いい風よ吹け〜」だ。
それは公演が終わってからジワジワと判るような、余韻が尾を引いてけっこうこちらの世界に戻れるのに時間を要した。それは先ず、初演よりも死に近付けたかな?と思える点にある。
生者の側でしか舞台という表現は勿論描けない、というのは自明のことで、特に態変の場合、
内的には身障者の身体表現はその表現するぞ!という気合やエネルギーは人一倍ないとできない、ということ。
外的にはその表現を観るという行為で相手の、障碍を晒して成り立つものを凝視するという異質さに晒されていることになり、それは特異な存在の有り方に触れそれを生命感としてビンビン感じることになる。
だから現実的には、生きる方向が強く表出される舞台なのは免れない。
だが、今回観客の中の反応にも、力強さの反面に死を思わせるものを感じとった、という人がいた。