『ウリ・オモニ』稽古日。
夕方6時から音響サウンドチェック、私衣装試着。
その前から、黒子2人は揃い、黒子だけの返し稽古・衣装、道具、床拭き、大事な準備に入ってくれている。
稽古開始30分後ぐらい。
態変とは違って、ソロ稽古は少人数なので、やりやすい。
私は、いつも始まるとノンストップで通してやる。が、この日は2回ほど途中で止め、チェックし続ける。
私の身体障碍はポリオで脱力系なので、ダンスマットの床面の微細なコンデションが諸に身体の動きに響く。
終わってから、黒子に、稽古で身体での不具合を感じたのをを何気に話題にすると、
黒子から床面拭きで思い当たるとの返しがあって、更に「こういう工夫をやってみようか?」と、話が進む。
まだ山あり谷ありを幾通りも越さねば、いい舞台、といえないだろう。
泣いても笑っても公演まで、後一月という緊張感と相まって、
この作品と向き合うのは、そういったやり取り全てに入って来る時期だと思う。
それに付け、本当に、難しく深い作品だと、改めて思う。
稽古を終えて8時、冬のダンスマットの床面で冷え切った体で、車イスに乗り外に出る。
(写真は、初演1988年、凱旋公演、扇町ミュージアムスクエアー於)