2月11日(休,月)
『ウリ・オモニ』4回公演が、いよいよ昨日の2時からの舞台で最後で、
この旅も最終着地点にたどり着くのがもう目前と言った感じ。
最後を終えてみてしか毎回の公演ででき上がったその作品の質はわかっらない。
だが、このソロの始まりである『ウリ・オモニ』は、常に世に求められることで成立するのだな、という気がする。
日本がアジア太平洋に侵略し、アジアの各国に多大な傷跡を残した戦争という、日本が背負う負の歴史。
その結果に、異郷で暮らし子をなし生活せざるを得なかった、芸術家としての金紅珠の人生。
そこのまさしく結果として生まれ、3歳で重度障碍者となった私の人生。
旅は道。道を糸に思い
この金紅珠の一つから織られ出した糸が二つに別れ、分かれた私の糸が長く織り込まれることで、先の金紅珠の糸ともう一度出会い直し、彩りは観客の人それぞれで色塗られ、より太く綾をなし織り込まれる。
それは出発はこの日本を抜きにはない。
そして日本の持つ戦争責任を背負いながら、今という時代に生きる人々の様々な、
女の、女の母と、女の娘、の思いに象徴される、人間の成長を求める闘い。
それは、突き放し、反発し、葛藤の末に、誰にも損なわれない、人間としての尊厳、を獲得したいのだ、と。
この作品が、もっともっと多くの人に、この日本の様相を捉え返す一助になれば、
そして、女の歴史が、戦争ではない方向に織り込まれて行くことにある。
さて、千穐楽では、最後の着地点をどんな織り込みが待っているかが、楽しみだ。