『箱庭弁当 -さ迷える愛 破』は、態変旗揚げの『色は臭えど』以来の、すらすらと飛び出してきて作品自らがものになりたいと、あっ、という間に書けた、とても不思議な出会いだ。
信じる、というのが空虚な絵空事になってしまった酷い、本当にどうしようもなく酷く、寄る術のない今の時代に生きていている。そんなことを感じるのは、私だけではないだろう。
そこで手繰り寄せると、逆境にあって尚、芽吹くのが、子供心にはあった!
諦めなんかない、先を見ようと希求する、夢みる心のファンタジー。確かにあったのだ、こういうときには思いっきり、目を転じてぐるっとひと回りして、凝視する針穴の向こうに見える、光りが。
創る時が、いろんな巡り合わせでやって来る、作り時というもの。
19名の施設で殺された障碍者たちの、今だ無名を強いられ墓標が宙に浮きながらさ迷っている年月の3年。
君は、忘れず、無念を胸に刻み、一緒に晴らす人となれ。