9月5日(木)
曇り、時々雷雨 32/25
今日は歯科の定期検診。幸いにも、雨には合わず。
歯医者はリラクゼーションとして、わりとうってつけだ。
診療ベットの寝姿勢の角度と腰の当たりが、不断では得られない丁度よい姿勢を保ってくれる。
そして何よりも、定期検診に行っている歯科診療医の、歯のメンテナンスのお陰で、
歯に金属製の器具が振動しても全く痛くないまでに歯がいい状態。
こんなに歯科治療って痛くなかったのだったっけ? と、不思議に思うぐらいだ。
虫歯治療で行きだした歯科では、歯に少しでも器具が触ると飛び上がっていて、
歯科治療は痛いもの、が常識だった。
元々、歯質は弱く歯茎は強い性質だったので、虫歯だらけの子供時代であった。
そこへ治療へも連れて行けない昔の時代で、自分で自立生活すれば虫歯を全て治療に行きなくすんだ、
という自分の体への自己管理の筆頭が虫歯だった。
それが自立しても中々行けず、ちょうど芝居を初め子どもも生まれた頃、
介護に入っていた歯科技工士を職にしている女子に紹介してもらった。
良い所だったので、保険は効かず結構な治療費の所だった。
それでも、納得の行く治療を受ける、障碍者が受診に行っても診療ベットに車イスから乗り移る、といった
煩雑な手間をプライド持って嫌がらず受入れる、そういう歯科診療ならば、少々の負担はかけてでも歯は治す。
という信念で、通った。
最初に行って、腕の良さそうな女医に診てもらうことに。
するとやはり体力的は虚弱で生きてきたので、歯だけの問題だけでなく、歯茎の問題の歯周病だと判る。
そんな気はしていたので、早々に取り掛かってもらった。
歯茎を剥がすようにして、中に巣食っている歯周病菌の膿を出す。
何回かはかかったが、歯茎は血だらけになり腫れる、を繰り返し
根気よく丁寧に全ての歯茎の根毛を治療して洗い出し、その傍らで虫歯治療も行う。
そういうのを経て一定歯口の歯周病は治療する。その頃に腕の良い女医は、辞められてしまう。
今度は何処に行ってもいいぐらいになって、休んだりしながらも、行きやすい歯科診療を探せるようになる。
この痛さのない歯科医院で、口をあんぐり開けるだけで、口の中の世界へ、いろんな器具を突っ込まれながら、
勿論口では話せず他力本願でしかない状態。
それが、なによりも私には必要なリラクゼーションだ。
人に伝えてナンボの介護者付き重度障碍者、という立場。
パフォーマーと黒子に、口だけで説明しながら作品の舞台を作る、私の演出の立場。
講演会へ呼ばれても、それはやはりお話。
歯科医院の寝姿勢ベットで、歯との向き合う、病巣の癒えるまでの長い年月を治療する医師の根気と
その膨大な労力の中に、丁寧に紡いできたサイレントな一時、に身を委ね瞑想し今後に思いは馳せる。