6回目レッスンになんとか行けるまで体調は本調子ではないが回復の兆し。直接演出の声をレッスン場にとどけるには声は出ないので、演出補佐の川喜多経由で通訳のハフィズへ伝えそこから役者に伝わる。金曜日に私から指示しておいた5シーンの変更を取り入れた通しを黙って観る予定であったのだが、何だかんだと5シーンへの構想が膨らんでしまって結局また演出付けをしてしまっていた。それを取り入れての通し。みんなは久々に演出の顔を見れて喜んでいることが顔の輝きや眼の光りからがんがん伝わってくる。
通しは非常にテンションの高い一人ずつの楽しみ工夫そのようなものが全て織り込まれてそして5シーンを即座に手直ししたものがするすると出て来るではないか。これは出捌けを遣っている黒子も役者と同じ気持ちで非常に緊張感溢れシーンを次々に展開していた結果だと思う。
終って、思いのほか先週の木曜日時点よりもまたぐんと伸びている、もう舞台へあげても良いラインにまで来ている、ことを確信。みんなに「凄く良いものに仕上がってきた」と言って拍手を送ると、周りの健常者スタッフも同様の思いであったようで抑えていた感情が溢れるように彼らからも自然と拍手が起こって大きくなっていった。
この拍手は、公演本番を迎える役者の観客からの拍手へとつらなっていくものであるかもしれない。拍手を浴びた役者達の誇らしげな顔を見つつ、本番当日を私は想い描きながら、彼らのこの顔をもっともっと見れることを期待して止まない。
この日はナラは所用で最初の1時間のみで中座していた。私からの作品の全貌へのOKが出された拍手の中で、黒子のペトラは即座にナラへ携帯メールでその感動を思わず送っていたとのこと。